認定品 →

自然のめぐみ

食のきわみ

技のたくみ

小木津不動滝 ~ NHK大河ドラマ≪武蔵 MUSASHI≫ほか

 小木津町にある小木津不動滝では、『武蔵 MUSASHI』で、沢庵が滝壷から現れ、お通と再会するシーンの撮影が行われました。 高さ12m、幅6mの堂々たる滝で、新緑に囲まれ流れ落ちる景観と山中に響く水温は潤いを与えてくれ、夏でも涼しい深閑としたところです。
 不動滝と呼ばれるところは全国にたくさんありますが、これは修験者たちが不動明王を祀り滝に打たれる修業をした滝と考えられます。 この小木津不動滝の傍らにも不動明王の石仏があります。
 小木津山自然公園の北側を流れる東連津川上流にありますが、小木津山自然公園側からは道が通じていないので、 常磐自動車道日立北ICから約1km、県道10号線を永井日立の森病院の方へ曲がる道から入っていき、3kmくらいです。 滝まで徒歩10分くらいの場所に車を止めれば、自然そのままの林道を散歩気分で歩くうちに滝に着きます。
 小さな川の滝としては想像以上の流量と迫力があり、その昔修験場に選ばれたのも納得できるでしょう。 民家のある集落がすぐ近くにあるとは思えない、山奥の秘境に来た雰囲気さえします。

小木津不動滝

 滝の周囲を見回してみましょう。岩肌が露出しているのが見られますが、これが実は日本一古い地層でできていることがわかりました。
 2008年、地質学の研究を続けてきた茨城大学理学部の田切美智雄教授は、 日立のこの地域の変成岩が約5億600万年前のカンブリア紀の地層であることを発表しました。 それまで日本最古とされてきたのは岐阜県のオルドビス紀(約4億9000万~4億4000万年前)の地層でしたが、 この発見で、日本列島が出来上がってきたと言われるパンゲア大陸よりもさらに前のゴンドワナ超大陸時代からの日本列島の成り立ちがわかるのではと期待されています。 日本は地殻変動の激しいところなので、あまり太古の地層は残っていないのですが、日立のこの地層は、 当時中国大陸の縁の海底にあったものらしいです。 これほど広範囲の古生代の地層は他にはなく、日本列島の始まりはこの地域だったのではないかと田切教授は推測しています。 田切教授は2010年茨城大学を退官後、茨城大学名誉教授に就任するとともに日立市郷土博物館の特別専門員として、今も研究を続けています。 田切特別専門員は2010年、さらに古い5億1100万年前の地層を常陸太田市で発見しました。この地層は日立市に続く一帯に広がっているもので、 日立市の地層が最古ではなくなった、というわけではありません。
 滝右手から山奥へ通じる林道を歩いて行くと、林道沿いに地層の露頭が見られます。 何度も変成を受けたカンブリア紀の地層、そこに貫入した花崗岩などが観察できます。 このあたりに落ちている医師を拾ってみればほぼ間違いなくそれは日立変成岩、日本最古の地層の石なのです!
 道は東連津川に行きあたって終わりになっています。この川をさかのぼれば、 約5億年前のカンブリア紀の変成花崗岩と約3億5000万年前の石炭紀の変成礫岩の不整合面が見られる、 地質学上とても珍しい場所がありますが、案内がなければとても行けないような危険な場所なのでこちらは専門家に任せて下さい (道はありません。川の中や林の中を突き進んでいきます。たとえたどり着けても、案内板があるわけでもなく、とても識別できません)。

カンブリア紀の地層
不整合面
約5億年前の岩と約3億5000万年前の岩の不整合面

 実は、何の苦労もなく、日本最古の地層を観察できる場所があります。すぐ近くの小木津山自然公園です。
 小木津山自然公園は、JR小木津駅から徒歩10分、常磐自動車道日立北ICから車で約10分、不動滝の南側に位置します。 約65ヘクタール、自然林の中の遊歩道を気軽に森林浴を楽しみながら散策できる公園です。 四季折々の花や野鳥を観察できるほか、展望台からの眺めも最高です。この公園の入口からすぐ地層スポットがあります。 わかりやすいのは道沿いに流れる小川の周辺。
 小川沿いに右側に曲がると、カンブリア紀の地層が前面に露出している場所が見られます。もともとかなり堅い岩石ですが、 たたくとボロボロと崩れるのは、何回も変成作用を受けているから。約5億年前の岩石は、 長い年月を経て、意外にもろくなっています。

小木津山自然公園
小川沿いに露出した地層

 江戸時代から古生代へさかのぼったところで、もう一度江戸時代に戻り、 水戸黄門こと徳川光圀がお気に入りだった場所を見て行きましょう。
 徳川光圀が神峰神社に参拝した時に日の出を拝み「朝日の立ち昇る様は領内随一」と言って「日立」という名前となったのは有名ですが、 実はかなり日立の地がお気に入りで、何回も訪れていたということが記録に残っています。
 小木津駅から東に向かうと1km程で海に出ます。ここから4km程北に向かえば、日本で唯一のウミウの捕獲場「鵜の岬」ですが、 このあたり一帯の岩場はウミウの休息地となっており、運が良ければウミウを見ることができるかもしれません。
 海岸沿いに南へ向かうと、白浜に松の木が映え、海には小さな岩や島が点在する景勝地で、徳川光圀はたびたび訪れていたようです。 そのなかでも鵜の島温泉の北の方にあった栄蔵小屋と呼ばれる小さな島がお気に入りで、橋をかけて歩いて渡れるようにしたということですが、 残念ながら島はその後崩れ落ちてしまい、今では見ることができません。 この島は、「山家集」で有名な平安時代の歌人、西行も訪れ、
 太田尻 衣はなきか 裸島 沖吹く風に 身にはしまぬか
という歌を詠んだと伝えられています。このとき、島に住んでいた僧、栄蔵法師は、
 ちちははの 着せぬ衣は裸島 沖吹く風の 身にはしむとも
と返したとして、鵜の島温泉入口付近に、西行歌碑と説明板があります。

鵜の岬

 さらに南に向かうと、東滑川海浜緑地として自然公園が整備されています。風光明媚な自然を楽しめる公園ですが、 この公園内には、黄金色に輝く「ヒカリモ」の群生地があるので是非見て行きましょう。
 ヒカリモは、日本各地の水のきれいな洞窟や山陰などの池に生息する藻類で、暗所で光を反射させることで黄金色に光って見えるものです。 日立市では水木海岸でも発見されていますが、ここはヒカリモ自生の北限とされ、しかも日本最大級の面積を持つ発生地という大変貴重な場所です。 また、一般に4月から6月ごろにしか光りませんが、ここでは1年を通して見ることができます。 ヒカリモは、光を反射させて光るらしいのですが、詳しい仕組みはまだ解明されていないそうです。 神秘的な光を一度は見てみたいものです。

ヒカリモ

リンク

日立市地域ブランド推進協議会 | 日立商工会議所 〒317-0073 日立市幸町1-21-2
COPYRIGHT (C)2010-2011 日立商工会議所 All Rights Reserved.