「ビスケットの日」というのがあるのをご存知でしょうか。
社団法人全国ビスケット協会では1980(昭和55)年に、毎年2月28日を「ビスケットの日」と定めました。
これは、日本にビスケットが初めて紹介された日にちなんで決められました。そのビスケットが日本に広まったきっかけとなる人物”柴田方庵”は日立市出身です。
ビスケットは、カルシウムやビタミンA、B1、B2なども含まれていてバランスの良い食品です。幕末の動乱期、いざというときのため、
栄養価の高い保存食を探していた水戸藩が、長崎周辺で外国人向けにだけつくられていた「ビスコイト(ビスケット)」に注目したのです。
柴田方庵(しばた・ほうあん)は、現在の日立市に当たる常陸国多賀郡会瀬村に誕生し、江戸に出て儒学と医学を学びました。
1831(天保2)年には長崎に移り、シーボルトの門人やオランダ軍医に最新の西洋医学を学び、日本で初めて牛痘接種を行ったことで知られています。
その長崎にいるとき、郷里水戸藩の役人から、”保存のきく食糧”として、「ビスコイト」の製法を習得して報告するように依頼されたのです。
柴田方庵は、オランダ人に「ビスコイト」の製法を学び、1855(安政2)年2月28日(陰暦)にその製法書を水戸藩に宛てて送りました。
残念ながらこの製法を書いた手紙は現存しませんが、方庵が書き記した日記に記録が残っていたのです。
ところで日本では、ビスケットとクッキーの両方の名前が使われていますが、もともとは同じものを指す言葉です。
ビスケットの語源はラテン語で「2度焼いたパン」を意味し、日持ちがするようにパンを乾かしてもう一度焼いたものを長旅に携帯したのが始まり。
イギリスではビスケット、アメリカではクッキーと呼ばれています。アメリカではビスケットというと柔らかい菓子パンのことを指し、
イギリスにはクッキーという言葉自体がないなど、厳密な使い分けが行われてないのが実情です。
日本では、ビスケットよりもクッキーの方が高級なイメージがあり、消費者を混乱させないため、全国ビスケット協会がビスケットとクッキーの定義を定めています。
これによるとクッキーは、ビスケットのうち「手作り風の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で40%以上のもので、
嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜などにより製品の特徴づけを行って風味よく焼きあげたもの」だそうですが、あくまで自主ルールです。
茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科の研究室では、日立にちなんだビスケットを作ろうと、
日立の海で獲れた新鮮な生のしらすを卵の代わりに使った「しらすビスコイト」を開発しました。
少々堅めの独特の食感と風味で、技能五輪大会の時に販売しましたが大変好評でした。
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